Amazonジャパンと大手スーパーのライフコーポレーションが生鮮品のインターネット販売で提携することを発表しました。
Amazonにはすでに生鮮品を扱うAmazonPrime会員向けのサービス『Prime Now(プライムナウ)』がありますが、今回の提携ではPrime Nowにライフが出店する形になります。
このサービスでは利用者が注文をするとライフの店舗の店員が商品を集め、Amazon専用配送員が配達します。
これまで数々のスーパーがネットスーパーを展開しては終了してきましたが、Amazonと提携したライフに勝算はあるのでしょうか?
Amazonと提携を発表したライフコーポレーションの株価が発表直後に爆上がりしてる
みんな期待してるんだ pic.twitter.com/eAdOIUB3PZ— 平野LAZY (@HiranoLAZY) May 30, 2019
それでは詳しく見ていきましょう。
食品スーパーとして国内初!Amazon「Prime Now」にライフが出店
まず最初にPrime Nowとはどういうサービスなのか説明します。
Amazon「Prime Now」とは、対象エリア内であればAmazonの商品を最短2時間で届けてくれるサービスで、「惣菜」「冷凍食品」「日用品」「家電」など様々な品揃えがあります。
使い方は、AmazonPrime会員に入会後、専用アプリから自宅の郵便番号を入力するだけ、あとは欲しい商品を購入すればAmazon専用配送員がお届けします。
しかし、これまでのPrime Nowでは、確かに生鮮品はあることにはあるのですが、とても品数が少なく「今日は手の混んだ料理を作ろう」と思ってもPrime Nowだけで食材を揃えることは不可能でした。
当社の出店により、Prime Now で取り扱う生鮮食品の品ぞろえが大幅に拡充されるため、お客様にとっての利便性がさらに高まります。
また、最短 2 時間で商品をお届けする Prime Now の配送サービスを活用することで、これまで当社のネットスーパーをご利用いただけなかった地域にお住まいのお客様に対しても、当社商品のお届けが可能となります。
ライフのNEWS RELEASEでの「Prime Now で取り扱う生鮮食品の品ぞろえが大幅に拡充される」という文言。すごい自信ですよね。
おそらく、ライフで販売されている生鮮品のほとんどをPrime Nowで購入できるんじゃないでしょうか。
ライフのAmazon「Prime Now」出店は成功するのか
「スーパーマーケットを経営しているからPrime Nowに出店しよう!」という考えはキッザニアで職業体験をしている頭のいい小学生なら考えつきそうなことです。
ではなぜ大人がそれをしてこなかったのでしょうか?
答えは、生鮮品は届ける配送のコストが高いからです。
経済産業省によると、生鮮品を含めた食品市場全体に占めるECサイトの比率は2.6%で、物販全体の比率6.2%と比べて圧倒的に低く、顧客のニーズはあるものの配送のコストがネックになっています。
他にも、生鮮品は利益率が低いという問題もあります。
一般的に、家電などの利益率は30%前後、衣類などの利益率は70%~80%です。一方、生鮮品の利益率は数%、目玉商品は赤字の価格で販売することもあります。
スーパーでは、1,000円売っても儲けは1円のときもあるそうです(参考:MONEYzine)
ちなみに、スーパーが利益を上げているのは主にお惣菜だそうで、生鮮品を買いに来た客がついでにお惣菜を買うことで利益を上げているそうです。
配送でも、常温の商品だけならコストもかかりませんが、「冷凍」や「冷蔵」の商品があれば、配送にもそれだけコストがかかります。
最近では、大手スーパー『西友』が自社で運営していたネットスーパーを楽天と提携させ『楽天西友ネットスーパー』となりましたね。
「え、名前変わっただけじゃん」
と思った方もいるでしょう。こちらの画像をご覧ください。
こちらの画像は、左が『楽天西友ネットスーパー』真ん中が『イオンネットスーパー』右が『ダイエーネットスーパー』のスマートフォンからアクセスした画像です。
気付きましたか?
いまや日本人に一人に一台スマホを持っているというこのご時世に、イオンとダイエーはスマホに対応したサイトデザインじゃないんです。
ECサイトのシステムを構築には時間も費用も莫大にかかってしまうため、費用対効果に見合って無ければ放置してしまう企業も多く、イオンとダイエーもその類でしょう。(参考:DLmarketが不正アクセスでサービス終了へ「復旧しても金になんねェンだわ」)
今回ライフがAmazonジャパンと提携した理由も、ECサイトを1から構築する費用や手間、ノウハウをAmazonと提携することで大手ネットスーパーに対抗するのが目的でしょう。
まとめ
ネットスーパーと言えば過去に、サミットネットスーパーやファミマの「famima.com」、ローソンの「ローソンフレッシュ」などありましたがどれも赤字で撤退しています。
既存のネットスーパーも楽天西友ネットスーパー以外はサイトデザインを新しくしないところを見ると、あまり儲かってないのでしょう。
ちなみに僕は、楽天西友ネットスーパーを利用していますが、西友プライベートブランドの”みなさまのお墨付き”商品が安くて美味しいので好きです。
イオンのプライベートブランド”TOPVALU”は全商品ガチでまずいですが、”みなさまのお墨付き”はハズレがないです。みなさんも試してみて下さい。